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◎握った手に込められた想い (M.K.)

 毎年10月、新人社員を連れて知的障がい者施設を訪れています。
 障がいのある方々とのふれあいを通じて、「相手の立場に立ったコミュニケーションとは何か」を考えることが狙いです。
 約半日、40名の障がい者の皆さんと一緒に、木工や陶芸、ハーブづくりといった作業を行います。
 今年は、ペットボトルのリサイクル作業を行いました。ペットボトルを各テーブルに運ぶ人、ペットボトルのラベルをはがす人、ペットボトルを足でつぶして袋に詰める人。担当する作業も違えば、作業の量や速さも違います。皆さん、自分のできることを楽しそうに行っています。
 私たちも作業に入りました。最初は不安げな顔を見せていた新人も、5分と経たないうちに積極的に取組み始めました。

 そんな時です。
 新人Aが困った顔をしています。
 障がいを持ったBさんとのやりとりです。
  「Bさん、私と一緒に作業しませんか?」
  「Bさん、私と一緒にこれをあっちへ運びませんか?」
  「Bさん、あとこれだけ頑張ってみませんか?!」
 いくら声を掛けても、Bさんは、なかなかイスから動いてくれません。目を腕で覆い隠してイヤイヤの状態が続きます。それでも新人は、笑顔を見せながら声を掛け続けていました。

 そして、作業終了の時間がきました。
 「お疲れ様でした」の号令とともに、私たちは作業室を離れたのですが。
 なぜか、その新人Aだけ作業室から戻ってこないのです。
 作業室に戻ってみると、Bさんが新人Aの手をギュッと握って離してくれないようです。
  「Bさん、ホントはAさんと作業したかったんだよね~(笑)」
 職員の皆さんからは、そんな声も聞こえます。

 誰もが言葉を自由に扱えるわけではありません。
 でも、何かを伝えたいという想いは誰にでもあります。
 
 Bさんがギュッと握って離さなかった手。
  「ありがとう」という想いが一杯込められていたのではないでしょうか。
 
  「言葉によるコミュニケーションが全てではない」
 そんなことをふと思った出来事でした。

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コメント

 いつも示唆に富む文を読ませていただいています。
 仕事の中で、“人”を大切にしておられるからこそ、感じることが
多いのだとおもいました。 どいぞ自分の負担になり過ぎないように・・・。

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